【新事業進出補助金】事業計画書で「落ちる」事業者の共通点とは?

新事業進出補助金の第二回公募が目前に迫ってきました。新たな挑戦への期待とともに、「採択される事業計画書とはどんなものだろう…」「どこで評価が分かれるのだろうか?」といった不安を感じている事業者様も多いのではないでしょうか。

私たちは、第一回公募で数多くの事業者様の事業計画書ライティングをご支援してきました。また、多くの中小企業診断士仲間との情報交換の中で、「これはもったいない」「ここを直せば採択の可能性がぐっと上がるのに」と感じる共通のポイントが見えてきました。

今回は、その経験から見えてきた「減点されがちな3つの落とし穴」と、それを回避し「採択を勝ち取るためのライティング術」を、実際に計画書を作成する皆様の目線で徹底解説します。

落とし穴1:強みと事業がバラバラ。「ストーリー」が見えない計画書

最も多く見られるのが、各項目がバラバラで、事業全体の「ストーリー」になっていない計画書です。

  • 自社の強み(SWOT分析)は立派なことが書いてある。
  • 市場の機会(市場性)もデータを使って説明されている。
  • しかし、なぜ貴社が、この市場機会を捉えて、この新規事業をやる必要があるのか?という一貫した繋がりが見えない。

審査員は、限られた時間で多くの計画書を読みます。その中で「なるほど、この会社がやるべき事業だ」と直感的に納得させる一貫したストーリーがなければ、強い印象を残すことはできません。

採択を勝ち取るライティング術

事業計画書を「自社の過去・現在・未来を繋ぐ物語」として構成しましょう。このように、SWOT分析の「強み」で「機会」を捉え、「弱み」を克服するという流れを意識するだけで、計画書全体の説得力が劇的に向上します。

  • ①過去(自社の概要・強み): 「当社は〇〇という経験を積み、△△という強みを培ってきました」
  • ②現在(事業環境・機会): 「今、市場では□□という課題(機会)が生まれています」
  • ③未来(新規事業): 「そこで、当社の強み△△を活かし、この課題を解決する新規事業◇◇に挑戦します。これが実現すれば、顧客や社会に貢献できるだけでなく、当社の弱みも克服できます」

落とし穴2:数字が独り歩き。「なぜ?」に答えられない収益計画

「5年後には売上1億円を目指します!」 意欲的な目標は素晴らしいですが、その数字に客観的な根拠がなければ、ただの「希望的観測」と見なされてしまいます。

  • 売上計画の数字だけが大きく、算出根拠が「目標だから」になっている。
  • 債務超過なのに、資金調達計画では「自己資金」のみでの計画になっている。
  • 人件費や広告費などの経費が、事業規模に対して現実的でない(安すぎる、または高すぎる)。

数字の矛盾や根拠の欠如は、事業の実現可能性そのものへの疑念に直結する、最も致命的な欠陥の一つです。

採択を勝ち取るライティング術

すべての数字に「なぜそうなるのか?」という明確なロジックを用意しましょう。

  • 売上計画の根拠を明記する: 必ず「客単価 × 客数 × 営業日数 = 売上高」のように、具体的な計算式を示します。「客単価は競合A社とB社の間を取り〇円と設定」「客数はWebサイトのアクセス見込み数から転換率△%で算出」など、設定値の根拠まで書けば完璧です。
  • 費用を見積もる: 大きな設備投資や外注費は、実際に相見積もりを取り、その金額を記載することで、計画の具体性と本気度を示すことができます。
  • 文章と数字をWチェック: 計画書を書き終えたら、必ず本文と収益計画表・資金調達計画表を見比べ、数字や内容に矛盾がないか第三者の目線でチェックしましょう。

落とし穴3:楽観的すぎる。「もしも」に備えていない事業計画

新規事業にリスクはつきものです。しかし、計画書でリスクや課題に触れることを避け、成功の側面ばかりを強調してしまうケースが少なくありません。これは、事業者として準備不足であると評価される可能性があります。審査員は「この事業者は、起こりうる問題を想定し、それに対する備えができているか?」を見ています。

採択を勝ち取るライティング術

リスクを隠すのではなく、「リスクを認識し、対策を準備している」ことを積極的にアピールしましょう。

  • SWOT分析を有効活用する: 「弱み(Weaknesses)」や「脅威(Threats)」の項目で、考えられるリスク(人材不足、競合の出現、法改正など)を正直にリストアップします。
  • 具体的な対策を示す: 洗い出したリスクに対し、「具体的に、誰が、いつまでに、何をするのか」という対策をセットで記述します。
    • 弱み: 専門スキルを持つ人材が社内にいない。
    • 対策: 〇〇のスキルを持つ人材を△月までに1名採用する計画。すでに人材紹介会社A社と協議を開始している。採用できない場合は、業務委託としてB社に協力を依頼する交渉も並行して進める。

このように、複数の対策(代替案)まで示せれば、事業遂行能力の高さを証明できます。

まとめ:採択される計画書は「具体的で、一貫性があり、現実的」

ここまで、多くの事業者が陥りがちな3つの落とし穴と、その対策について解説してきました。

  1. 事業の「ストーリー」を明確にする
  2. すべての数字に「客観的な根拠」を用意する
  3. 「リスク」を直視し、具体的な対策を示す

これらのポイントを押さえるだけで、貴社の事業計画書の採択率は格段に向上するはずです。

とはいえ、日々の業務に追われながら、これら全てを盛り込んだ質の高い計画書を独力で作成するのは、非常に時間と労力がかかる作業です。「自分の計画書がこれらのポイントを満たしているか不安…」 「客観的な視点で、専門家に一度チェックしてほしい」もし少しでもそう感じたらぜひ一度、私たちの無料相談をご活用ください。 私たちは補助金申請のプロフェッショナルとして、貴社の強みを最大限に引き出し、審査員に響く事業計画書作りを強力にサポートします。第二回公募は、貴社の未来を切り拓く大きなチャンスです。万全の準備で、採択を勝ち取りましょう。

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